・・・そうだ。撤回評、書こう。 就職活動の疲れを癒すべく柚子の香りがするお風呂に入りつつ、そんな事を思った。 かつて四八(仮)をプレイした時、私はあれをゲーム史に残るべき汚点であると主張した。だがしかしそれはさすがに言い過ぎたのかもしれない。いくらなんでもちょっとは見るべきところがあるかもしれないのではないだろうか。 当時は頭に血が上っていて、冷静に判断ができなかったのかもしれない。同じ2007年発売のエルヴァンディアストーリーをプレイした上で改めて評価してみれば、また違った答えがでるのかもしれない。 というわけで、四八(仮)のクソゲーオブザイヤーの撤回評をここに書くことにする。クソゲーではないなどと無茶を言うつもりはない。むしろ撤回評と名がついているが、撤回を目標としたものでもない。ただ「我々の認識にも間違いがあったのではないか?」という事を主張できれば十分だ・・・とも思わない。なんか暇潰しになればいいや、くらいのノリである。 なお、改めて言うが、間違いなく四八(仮)はクソゲーである。 この文章はそれを前提としたものであり、「四八(仮)はクソゲーではない」などと主張する者が勝手にこの撤回評を引用することは作者として許可しない。 あと、この撤回評は風呂上りにプリンを頬張りながら「四八マンでL&J踊ってもらった」を再生しつつメッセで他人の恋愛相談に乗りながら、という状況で適当に思いのままに書いたものである。 そこまで必死に読むべきものでもないし、無駄に長いので暇な方だけ読んでいただければ幸いだ。プリンうめぇ。 @シナリオ面: いきなり関係ない話をするのだが、なぜか私のPCは「しなりおめん」と入力して変換すると「シナリオ麺」となる。何度やってもなる。そこまで優先されるほど「麺」などという漢字を使った覚えはないのだが・・腹が減っているので、無意識に変換にまで影響を及ぼしているのだろうか。そんなことよりおうどん食べたい。 さて。シナリオ麺について。(やっぱり麺だよコノヤロウ) 四八(仮)には多数のシナリオが収録されている。各都道府県に最低1つ。中には複数のシナリオがある県もあり、その数は50を超える。 総評や選評の中ではそれら全てに触れられているわけではなく、一部のシナリオをピックアップして紹介する形がとられている。 もちろん、それを否とするわけではない。全てのシナリオについて書くことになれば膨大な量の文章となってしまう。それでは書く側も読む側も大変なだけである。なんせ毎日のようにプレイして日記にした人間が言うのだから間違いない。時間の無駄である。なんであんな無駄な事したんだろう。 しかし、だ。一部(というか大部分、というかほぼ全部)の糞シナリオにだけ反応してしまい、たとえ数が少なかろうと面白いシナリオがあったことを忘れてしまっているのではないだろうか? もちろんクソゲーとしての選評、総評である以上仕方のないことではあるが、悪意を持った書き方をしてしまえば、かの大作RPGでさえクソゲーだと言い張ることが可能なのだ(ちゃんと出来てたかどうかはともかく)。 ここでは選評や総評での矛盾点や、そこでは触れられなかった部分について触れようと思う。 まず総評では、シナリオの大半の内容について「コンビニの都市伝説本にすら及ばない」「同人を元ネタにした内輪受け話」「観光案内」とし、「珍しくマシとされた話には盗作疑惑が発生している」とされている。 総評は1年のまとめである以上、内容が圧縮されるのは理解できるが、この書き方はよろしくない。これでは「シナリオの全てが駄目なものと盗作で成り立っている」という印象を与えかねないではないか。 ・・・という感想はぶっちゃけ難癖をつけるつもりで読んだ結果なのだが、ここではあえてそういうことにしておくことにする。一応撤回評だし、「これはいかん!総評の内容に一部誤解を招きかねない表現が入っている!このクソ総評め!」と言い張り、なんとなく四八が大賞だったのが間違いなんじゃないか的な印象を与えることにする。我ながら無理矢理すぎる。 また、選評の中ではもう少し詳しく触れられている。 いくつか違いについて書いておくと、広島や岩手などの酷い内容のシナリオの例として挙げつつ、ゲストシナリオの出来は悪くなかったことが記されている。あとは四八(仮)に期待していた「学校であった怖い話」のファンを裏切ったという記述もある。 あとは印象的であった飯島氏本人の出演について触れられている、といったところだろうか。 ファンを裏切った云々については、完全にオマケ要素だろう。確かに学怖のキャラを登場させておいてあの扱いは酷いとは思うが、「ゲーム単体で評価する」というKOTYの仕組みに則り、ここぞとばかりに「そんなの重要な要素じゃないよ!そんなクソ要素なんてどうでもいいんだよ!」と言い張ってみたい。 そしてここで注目したいのはゲストシナリオ等、シナリオの中には悪くないものもあったという事である。 例えばだが、岐阜県のシナリオ「火葬場の町」は中々に面白いものである。火葬場という独特の雰囲気をもつ場所をテーマにし、なんとも不気味な世界を作り上げている。豊富な選択肢による分岐があり、その中でも他のシナリオのようにどれも似たような展開だったり、色々と丸投げしたようなおざなりな分岐があったりではない。きちんとそのシナリオを彩る要素となっていて、何度もプレイする価値さえある。2週目以降から存在する選択肢などもあり、小規模ながらそれだけで十分にホラーゲームとして成立しているではないか。っていうかなんでこれだけでゲーム作らなかったんだろう、とか思う。 他にも、個人的にだが楽しめたものとしては福岡県「トンネル」などがある。夜中のトンネルという不気味なスポットを効果音や画面演出などを用いてうまく表現できていただろう。パッと見ただけでは何なのか分からず、知りたいけども怖い、というように配置されたトンネル内の物たちも演出に一役買っている。 ・・まぁそれ以外に何が面白かったのか思い出せないような気もするが、少なくとも面白いシナリオもあった。これは重要なことである。 ここで同年に発売された他のゲームと比べてみよう。クソゲーオブザイヤーwikiでも「例年ならばオブザイヤーレベルであった」とされている「エルヴァンディアストーリー」だ。 このゲームのシナリオは、酷い。過去からタイムスリップしてきたのかと言わんばかりに古臭い話が延々と続いていくのだ。予想を裏切ってくれるようなものは1つもない。強いて言うなら何の前触れもなく重要キャラだと思われた王子が死ぬくらいだろうか。 それ以外は、今時小学生でも楽しめそうにないありきたりなストーリーが続いていく。盛り上がりの欠片もないストーリーは、ネタにさえならない。その点で言えば四八(仮)の方がまだ少なくとも楽しめる要素があったというものだ。多分。 Aシステム麺 四八(仮)は、システム面の酷さも話題となっていた。ここでは総評に書かれたシステムについての文章を再検証したいと思う。 最近のADVには、「オートモード」「既読スキップ」「バックログ閲覧」などの機能がある。四八(仮)にはこれらの機能はなく、総評でも触れられている。 ・・・しかし、だ。果たしてこれらの機能は本当にこのゲームに必要なのだろうか。 例えば「オートモード」。エロゲー等ではやんごとなき事情によりこれらの機能が必要だというのは、まあ分からなくはない。しかし四八(仮)は一般ゲームである。特にそういったシーンはない。あっても困る。 さらに、文章を読み進めるための○ボタンが機能しない等の現象があるわけではなく、オートモードがなければ攻略できないというわけでもない。 一応なんとかまがりなりにもホラーの端くれの出涸らしくらいには分類されている四八(仮)を、両手を使って作業しつつ片手間にプレイするというのが正しいプレイスタイルとは思えない。オートモードが重要視される理由はない。 次に「既読スキップ」。一度見たシーンだけをスキップできるようにする機能だが、この機能も攻略の上で必要となる機能ではない。あくまで今まで見てないシーンを効率良く見るためだけの機能である。 そして、このゲームは(一応)ホラーである。本当にホラーなのかと聞かれると少々言葉に困ってしまうが、一応ホラーということになっている。オートモードと同じく、果たしてホラーゲームにこの機能は必要であるかどうか考えていただきたい。 ホラーゲームでは、シナリオを味わう事こそが攻略にして最大の楽しみなのである。ここに「一度読んだ文章を飛ばしてしまう」などという機能を付けたらどうなるだろうか。 この機能はつまり、一度読んだ部分と読んでない部分を分割してしまい、一度読んだ文章を不要としてしまう機能だ。しかし、これはホラーの意味を見失っているのではないだろうか? 既読スキップなどを使用してしまっては「はい。ここから見てないところですよ」と言われてしまうようなものだ。これでは恐怖の根幹ともいえる「未知の恐怖」というものが薄れてしまうことにならないだろうか。せっかくお化け屋敷に入ったのに「はいオバケ出ますよ」とアナウンスが入ってしまうようなものだ。確かにそのオバケがハリウッドばりの特殊メイクを活用してくれれば十分に怖いだろうが、それでもその価値は薄れてしまうことだろう。 自らの手で読み進め、いつの間にか未知の文章に足を踏み入れた時、まさにホラーとしての価値があるのではないだろうか。 そして「バックログ閲覧」。これも同じような事が言える。推理ゲームなどならこれがないと問題になるのかもしれないが、このゲームはホラーであり、読み返して確認しなければならない要素などない。適当に読み飛ばしてしまったなら必要かもしれないが、適当にホラーを読み飛ばすプレイヤーが何がしたいのかは分からないのでここでは無視する。ただし私は適当に読み飛ばしてプレイした。 そして、ホラーで「過去の文章を読む」という機能は必要だろうか。例えばだが、あまりの恐怖に逃げ出したい等の理由を除き、お化け屋敷の途中で引き返す人がいるのだろうか。おそらくそんな人はいまい。 いかに面白い演出であったとしても、振り返ってもう一度確認するようなことをしてしまえば所詮それは既知のものであり、その価値が薄れてしまうことだろう。特に「未知であること」を重要な要素とするホラーでは、そのような事は避けたいのではないだろうか。 これまで見てきた三つの要素についてだが、これらは攻略に絶対に必要なものでもなく、クソ要素とされているのもあくまで他のゲームと単純に比べてしまった結果でしかない。クソ要素ではないとまでは言わないが、それほど酷い要素であるとも思えない。 ・・ちなみにだが、この辺りで完全に書く気力を失くしている。どんどん文章が適当になるのでご了承願いたい。そもそもなんでこんなものを書いているんだろうか。意味が分からない。もうプリンは空っぽである。あぁ・・次はアイスだ。冬だけど。 さて。システム面におけるもう1つのクソ要素として挙げられているものとして「ランダム分岐」というものがある。 これはもう読んで字の如く、シナリオがランダムに分岐するシステムのことである。 確かにこれはシナリオをコンプリートしたいという上では迷惑極まりないシステムである。それは間違いないのだが・・・コンプリートが必要などと、誰が書いたのだろうか?なぜかコンプリート前提ということになってしまってはいないだろうか。 それよりも、ランダム分岐によって得られる効果を重要視していただきたい。こうやって、書いている人に有利な方向にばかり眼を向けさせることでそれとなく撤回評っぽくしようとしている事に気付いたりしてはいけない。 なんといっても、ランダム分岐によって選択肢が排除されたというのはかなり魅力的な事なのである。多分。 選択肢が画面に映ってしまえばどうしてもそれは「ゲームだ」と認識されてしまうことになる。シナリオの継ぎ目が見えてしまうような不恰好である。それを排除すれば、プレイヤーがひたすらにシナリオを読み進めることができ、よりシナリオにのめりこめるようになるのではないだろうか。面白ければ、の話だが。 しかも、それでいてきちんとコンプリートしやすくするための配慮までされている。ランダム分岐のポイントで、今まで見ていない分岐へと派生しやすくなるように調整されているのだ。素晴らしい配慮だと、開発者の優しさとかを無理矢理感じ取ってみる。あぁ素晴らしい素晴らしい。 ちなみにエルヴァンディアストーリーはストーリーが3つのパターンに派生する。 その分岐点は比較的序盤での戦闘で、ボス撃破時に特定のキャラクターが立っている位置によって決定される。ストーリーの流れとか関係なく、なぜか立っていた場所で決定されるのだ。悪いことしてないのに闇ルートとかに行かされる。 こんなもので今後、光ルートやら闇ルートやらを歩まされるプレイヤーはたまったものではない。これに比べりゃ四八(仮)の分岐くらい許せるような気がしなくも・・・・・・ないかな? Bバグ ついでに、四八(仮)にはバグもあった。 主なものはセーブ直後の選択肢で「いいえ」に合わせて×ボタンを押すとフリーズするというものと、ゲーム画面に白い四角が現れ、そのプレイデータではずっとその四角が残り続けるというものだ。 これらに関しては否定のしようもない。公式にも載っている。事実そういうバグがある。 まず前者については、少し気を使えば済む程度の話だろう。例え発生したとしてもフリーズするのはセーブ後の話。データに影響はないというのだからまだマシだ。 後者についてはセーブデータそのものに問題が発生してしまうため、問題視されるならこちらの方だろう。 しかしこれも「R1でのスキップ中にセーブ画面を起動すると問題が発生する」というものだ。ならばセーブ前に少しばかり気をつければいい話。さらに一度セーブ画面を抜けてから再度セーブを行い、予備のデータも確保すればほぼ回避は可能であろう。 もちろんこれらのバグに対し「プレイヤーが気を使わねばならないのはおかしい」という指摘があるのも頷ける。超頷ける。ていうか私もプレイ中に予備データ作るのは結構面倒だった。 しかし、バグというものはどうしても発生してしまうものだ。ここはもう色々と寛大な心でもって受け入れてあげてほしい。最後は情に訴えかけるのが無理を通す時のお約束である。お涙頂戴である。 バンプレスト側も、結構頑張っているのだ。11月22日に発売された本ソフトのバグは、12月3日にはその対処方法が公式HPに記されている。なかなか素早い対応ではなかろうか。バグや不具合は無視するようなメーカーも多い中、素早い対応を行ったのは褒められるべきである。「いやそれ以前にバグのないソフト作れよ」とかそういうツッコミは無しの方向でお願いします。 さらにはバグを修正した修正版への交換もあったという話。きっとバンプレストだって頑張ってたのだ。 ・・・さて、どうだろうか。多少は四八(仮)に対しての評価が変わったりしたのだろうか。多分代わらないと思うけど。 ちなみに私は今、あのディスクを叩き割ったことを後悔している。思えばあれはプラモとかフィギュアの台座に活用するべきだったのではないだろうか? 特に美少女フィギュアなどには最適だ。なんといっても下から覗くような無様な姿を晒さずともスカートの中が見えるではないか。私はなんと勿体無いことをしてしまったのだろうか。 あと、一人分のパスタを束から取り出すのに使えたりする気がする。ちょっと少ないのでダイエット時にどうだろう。 そういった使い方以外にも、もしかしたら光学兵器を跳ね返したりできるかもしれない。時代は進んでいる。そろそろ光学兵器とか空飛ぶ車とかできるに違いない。いざビーム兵器が発売され広まった時に、その防御策としてディスクを使用することがありえないなどと誰が言えようか? そんな感じで、四八(仮)にもそれなりに見るべき点があったりなかったりするんじゃないかなーとか思う。多分。 なんか他にも色々書きたかったような気がしたけど、面倒くさいのでもう終わる。完。